
この記事でわかること
- 持続化補助金はホームページにも使えるが、ホームページだけでは申請できない
- 交付決定の前に発注した費用は対象外で、お金は後から受け取る
- IT導入補助金は、ホームページを作るだけの目的には使いにくい
- 個人事業主が申請するときの条件と、商工会・商工会議所の関わり方
- 補助金を使う場合と使わない場合の比べ方と、申請前の7つの確認
小規模事業者持続化補助金は、ホームページの制作にも使える補助金です。ただし、ホームページだけを作る計画では申請できず、販路を広げる取り組みの一部として位置づける必要があります。さらに、交付決定の前に発注した費用は対象にならず、お金は事業が終わった後に受け取る仕組みです。この記事では、公募要領で決められている主な決まり、IT導入補助金との違い、個人事業主の場合、補助金を使う場合と使わない場合の比べ方を、制作する側から見たつまずきやすい点と合わせてまとめます。金額や締切は回ごとに変わるため、公式サイトで確かめる前提で読んでください。
ホームページに使える補助金は、まず3つの前提から考える
ホームページの補助金を調べ始めると、「最大◯万円」「費用の◯分の◯が戻る」といった言葉が目に入ります。けれども、金額より先に知っておきたいのは、補助金がどういう仕組みのお金なのかという前提です。ここを知らずに進めると、制作会社と契約した後で「対象にならなかった」と分かることがあります。

- 補助金は、事業の計画に対して出るお金で、ホームページそのものに出るわけではない
- 申請すれば必ずもらえるものではなく、審査を経て採択された人だけが対象になる
- 多くの補助金は後払いで、いったん全額を自分で支払ってから、報告を経て受け取る
つまり、補助金は「ホームページを安く作るための割引」ではなく、「事業を伸ばす計画を国や自治体が後押しするお金」です。ホームページは、その計画の中の道具の1つとして扱われます。計画の中で、ホームページが何の役に立つのかを説明できるかどうかが出発点です。
ホームページの制作にかかるお金の決まり方そのものは、ホームページ制作の費用相場で内訳から説明しています。補助金を使うかどうかに関わらず、まず何にいくらかかるのかを知っておくと、申請の計画も立てやすくなります。
小規模事業者持続化補助金でホームページを作るときの決まり
小規模事業者持続化補助金は、小さな事業者が販路を広げたり、仕事の効率を上げたりする取り組みを支援する補助金です。商工会議所の地区と商工会の地区で、それぞれ公式サイトと事務局が分かれています。ホームページの制作は「ウェブサイト関連費」という経費の区分で扱われます。
| 決まり | 中身 | 気をつけること |
|---|---|---|
| ウェブサイト関連費だけでは申請できない | チラシや看板、展示会など、ほかの販路を広げる経費と組み合わせる | ホームページだけを作りたい計画は対象にならない |
| ウェブサイト関連費には上限がある | 補助の対象にできる額に、ほかの経費とは別の上限が決まっている | 上限の額や決め方は回によって変わるので、公募要領の数字で確かめる |
| 交付決定の前の発注は対象外 | 採択と交付決定を受けた後に発注・契約したものだけが対象 | 申請前に制作会社と契約してしまうと、その費用は対象にならない |
| 支払いは後払い | 事業が終わった後に実績を報告し、確認を経て補助金を受け取る | 制作費はいったん全額を自分で支払う |
| 決められた期間の中で終える | 発注から支払いまでを、補助事業の期間の中で済ませる | 公開が遅れて期間を過ぎると、対象にならないおそれがある |
出典: 商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金 公式サイト、商工会地区 小規模事業者持続化補助金 公式サイト。上限の額、補助の割合、受付の締切は回ごとに変わります。必ず公式サイトに出ている公募要領で確認してください。
持続化補助金の対象になりやすいホームページの使い方
対象になるかどうかは、ホームページが計画の中でどんな役割を持つかで決まります。たとえば「新しく始める出張サービスを、地域の人に知ってもらうためのページを作る」「これまで電話だけだった予約を、ホームページから受けられるようにする」のように、販路を広げる取り組みと結びついている使い方です。反対に、見た目を新しくしたいだけ、という理由では計画として説明しにくくなります。
相見積もりと証拠書類を残しておく
補助金では、事業が終わった後に、見積書、発注書、納品の記録、請求書、支払いの記録をそろえて報告します。発注の額によっては、複数の会社から見積もりを取ることも求められます。制作会社を選ぶ段階から、書類を残す前提で進めてください。見積書の項目の読み方はホームページ制作の見積もりの見方にまとめています。
IT導入補助金でホームページは作れるか
ホームページの補助金として、IT導入補助金の名前もよく挙がります。IT導入補助金は、現在は「デジタル化・AI導入補助金」の名前で公募されています(デジタル化・AI導入補助金の公式サイトで確認)。結論から言うと、会社やお店を紹介するホームページを作ることだけが目的なら、この補助金は使いにくいと考えてください。
この補助金は、事務局に登録されたITツール(業務のためのソフトやサービス)を、登録された支援事業者と一緒に導入する仕組みです。予約や決済、顧客管理といった業務の仕組みが中心で、ふつうのホームページの制作は対象の中心ではありません。登録されたツールの中に、ホームページの機能を含むものがある場合もあるため、使いたいときは公式サイトのITツールの検索で探すところから始めます。
| 比べること | 小規模事業者持続化補助金 | IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金) |
|---|---|---|
| ねらい | 販路を広げる取り組みや、仕事の効率を上げる取り組み | ITツールを入れて、業務の効率を上げる |
| ホームページの扱い | ウェブサイト関連費として、ほかの経費と組み合わせれば対象になりうる | ホームページの制作だけでは対象になりにくい |
| 誰と申請するか | 自分で計画を作り、商工会・商工会議所の確認を受ける | 登録された支援事業者と一緒に申請する |
| 向いている使い方 | 新しいサービスや客層に向けた案内のページを作る | 予約システムや受発注の仕組みを入れる |
出典: デジタル化・AI導入補助金 公式サイト。対象になるツールや枠の種類は公募ごとに見直されます。予約の仕組みを入れたいのか、紹介のページを作りたいのかで向いている補助金が変わるので、目的を先に決めてください。予約の仕組みそのものの考え方は予約システムの導入で説明しています。
個人事業主もホームページの補助金を使えるか
個人事業主でも、小規模事業者持続化補助金に申請できます。会社かどうかではなく、事業の種類と、常に使っている従業員の人数で対象かどうかが決まります。目安は次のとおりです。
| 業種 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |

出典: 商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金 公式サイト。従業員の数え方や、対象にならない業種・事業者の条件は公募要領に細かく書かれています。家族だけで営んでいる場合の数え方なども、公募要領で確かめてください。
個人事業主が申請前に用意しておくもの
個人事業主がホームページの補助金を申請する前の準備
- 事業を営んでいることが分かる書類(どの書類が必要かは公募要領で確認)
- GビズIDプライムのアカウント(取得までに時間がかかることがある)
- 地域の商工会・商工会議所への相談の予約
- ホームページで誰に何を伝え、何につなげたいかを書いたメモ
- 制作会社から取った見積書(発注はまだしない)
電子申請で使うGビズIDプライムは、補助金の申請などに使う事業者向けのアカウントで、審査を経て発行されます(出典: GビズID 公式サイト)。締切の直前に取ろうとすると間に合わないことがあるため、申請を考え始めた段階で手続きを始めておくと安心です。
創業して間もない事業者向けの枠が設けられている回もあります。開業したばかりで実績が少ない場合は、どの枠で申請するのかを含めて商工会・商工会議所に相談してください。
ホームページを補助金で作るか、補助金を待たずに作るか
補助金を使えば、制作費の一部が後から戻ってきます。その一方で、計画書づくりや報告の手間がかかり、採択されるまでホームページを発注できません。どちらがよいかは、急ぐかどうかと、手間をかけられるかどうかで決まります。
補助金を使う
- 採択されれば、制作費の一部が後から戻る
- 計画書づくりと実績の報告に手間がかかる
- 交付決定まで発注できず、公開が先になる
- 採択されないこともある
補助金を待たずに作る
- 制作費は全額を自分で負担する
- 思い立った時期に発注して公開できる
- 書類の手間がなく、内容も自由に決められる
- 支払い方を月払いなどで分けることもできる
補助金は負担を減らせる一方で、時期と手間に制約があります。急ぐか、手間をかけられるかで向き不向きが分かれます。
補助金を使った方がよい条件
- ホームページだけでなく、チラシや看板など販路を広げる計画がほかにもある
- 公開まで数か月待っても困らない
- 計画書を書き、事業が終わった後の報告まで自分で進める時間が取れる
- 制作費をいったん全額立て替えられる資金がある
補助金を待たずに作った方がよい条件
- 開業や新しいサービスの開始が近く、それまでにホームページが必要
- ホームページだけを作りたく、ほかの経費の予定がない
- 本業が忙しく、計画書と報告の手間をかけられない
- まず小さく公開して、反応を見ながら育てたい
比べるときは、作るときのお金だけでなく、公開した後にかかるお金も並べてください。補助金の対象になるのは決められた期間の中の経費で、その後のサーバー代や更新の費用は自分で払い続けます。続けてかかるお金の中身はホームページの維持費で、作るときのお金を抑える工夫はホームページを安く作る方法で説明しています。
小規模事業者持続化補助金の申請の流れとホームページを発注する時期
補助金でホームページを作るときに、いちばん間違えやすいのが発注の時期です。申請の流れの中で、制作会社に正式に発注してよいのは交付決定の後です。それまでにできるのは、相談と見積もりまでだと考えてください。
- 1公募要領を読む対象経費、上限、締切を確かめる
- 2計画を作るホームページの役割を計画に書き、見積もりを取る
- 3商工会・商工会議所の確認事業支援計画書を出してもらう
- 4電子申請締切までに申請する
- 5採択と交付決定ここで初めて発注できる
- 6制作と支払い決められた期間の中で公開と支払いを終える
- 7実績報告と受け取り書類をそろえて報告し、確認後に補助金を受け取る
制作会社に正式に発注してよいのは、交付決定を受けた後です。それより前は相談と見積もりまでにとどめます。
商工会地区の公式サイトでは、申請に必要な事業支援計画書(様式4)を地域の商工会で発行してもらう必要があり、手続きに時間がかかるため余裕をもって進めるよう案内されています(出典: 商工会地区 小規模事業者持続化補助金 公式サイト)。締切の直前に相談に行くと、書類が間に合わないことがあります。
制作会社に伝えておくこと
見積もりを頼む段階で、補助金を使う予定であることを制作会社に伝えてください。交付決定まで発注を待つこと、決められた期間の中で公開と支払いを終える必要があること、報告に使う書類を出してもらうことを、先に共有しておくと進めやすくなります。補助金の事情を知らないまま進めると、日程が合わずに困ることがあります。
相談から公開までにどんな段取りがあり、どれくらいの期間がかかるのかはホームページ制作の流れと期間にまとめています。補助事業の期間に収まるかどうかを考えるときの目安にしてください。
補助金を使ったホームページづくりでよくある失敗
制作する側として補助金を使う相談を受けていると、つまずく場面には共通点があります。どれも前もって知っていれば避けられるものです。
| 失敗 | 起きる理由 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 採択の前に契約してしまった | 早く作りたくて、交付決定を待たずに発注した | 交付決定の通知が届くまでは、見積もりと相談だけにとどめる |
| ホームページだけで申請しようとした | ウェブサイト関連費だけでは申請できないことを知らなかった | 公募要領で、組み合わせる経費の決まりを先に読む |
| 公開が期間に間に合わなかった | 原稿や写真の用意が遅れ、制作が長引いた | 交付決定を待つ間に、文章と写真を先にそろえておく |
| 報告の書類が足りなかった | 見積書や支払いの記録を残していなかった | 見積もりの段階から、書類を1つのフォルダにまとめる |
| 補助金ありきで作りすぎた | 戻ってくるお金を当てにして、ページや機能を増やした | 補助金がなくても必要なものだけを計画に入れる |
| 補助金をうたう業者と急いで契約した | 申請の代行と制作をまとめて勧められ、中身を比べなかった | 申請の内容は自分で理解し、契約前に複数の見積もりを比べる |
交付決定を待つ期間は、何もできない時間ではありません。載せる文章を書き、写真を撮り、よく聞かれる質問を書き出しておくと、発注した後の制作が短く済み、期間の中に収めやすくなります。
「補助金で実質無料」という勧め方に気をつける
補助金は審査を経て採択された場合にだけ受け取れるもので、受け取るのも事業が終わった後です。採択を約束したり、補助金があるから自己負担がないかのように説明したりする勧め方には気をつけてください。契約の前に確かめておきたいことはホームページ制作のトラブルにまとめています。
補助金を受けて作ったホームページの経理の扱いも、作る前に考えておきたい点です。制作費をどの勘定科目で記帳するかはホームページの制作費の勘定科目で説明しています。補助金の会計上の扱いは、顧問の税理士にも確かめてください。
補助金を使わずにホームページを始める場合の料金の目安
補助金の条件や時期が合わない場合は、最初の負担を小さくしてホームページを始める方法もあります。制作費をまとめて払う形だけでなく、月払いで始める形もあるので、支払い方から考えてみてください。ここでは例として、uparia の料金表を挙げます(税込)。

| プラン | 料金 | 含まれるもの |
|---|---|---|
| 月額プラン ライト | 月額2,980円 | 制作費0円、最低契約期間12か月。1ページ、独自ドメイン・サーバー・SSL・保守込み |
| 月額プラン スタンダード | 月額4,980円 | 制作費0円、最低契約期間12か月。10ページまで、お知らせ(ブログ)機能、SEOの初期設定 |
| 月額プラン プレミアム | 月額14,800円 | 制作費0円、最低契約期間12か月。30ページまで、オリジナルデザイン、予約・SNS連携などの機能 |
| スタートプラン(買い切り) | 3万円〜 | 最初から自分のものにしたい方へ。1ページ構成〜、独自ドメイン取得とサーバー代込み |
| しっかりプラン(買い切り) | 30万円〜 | 複数ページ、オリジナルデザイン、写真・原稿の相談 |
月額プランは制作費0円・最低契約期間12か月で、24か月続ければ、サイトのデータとドメインの管理を無料で渡します。買取費用は0円で、月払いだけで自分のものになります。たとえば10ページのスタンダードなら、24か月の総額は119,520円です。途中でやめてもサイトとドメインは持っていけ、そのときの移管料は続けた月数から式で決まります。
月払いと買い切りのどちらが合うかは、契約の期間や途中でやめるときの条件まで含めて比べてください。月額制で確かめたい点はホームページの月額制のデメリットで、依頼先ごとの違いはホームページ制作の費用相場で説明しています。プランの中身は小さな事業者向けのホームページ制作にまとめています。
補助金を考え始めたら確かめたい7つのこと
ホームページの補助金を使うかどうかは、公募要領を読んで、自分の計画と時期に合うかを見てから決めるのが近道です。次の7つを順に確かめてください。
ホームページの補助金を申請する前の7つの確認
- 自分が小規模事業者の範囲に入るか(業種と従業員の数)
- ホームページのほかに、組み合わせる販路を広げる経費があるか
- ウェブサイト関連費の上限と補助の割合を、公式サイトの公募要領で確かめたか
- 受付の締切と、商工会・商工会議所の書類が間に合うか
- GビズIDプライムを持っているか、取得の手続きを始めたか
- 交付決定まで発注せずに待てるか、公開を急ぐ事情はないか
- 制作費をいったん全額立て替えられるか
地域によっては、都道府県や市区町村が独自にホームページの制作を支援する補助金を出していることもあります。国や自治体の支援制度はJ-Net21 支援情報ヘッドラインで地域を選んで探せます。対象や受付の時期はそれぞれ違うので、見つけたら自治体の公式ページで条件を確かめてください。
7つのうち、待てない、立て替えられない、組み合わせる経費がない、のどれかに当てはまるなら、補助金を待たずに小さく始める方が合っているかもしれません。依頼先を決めるときの見方はホームページ制作会社の選び方にまとめています。
uparia では、補助金を使う場合の見積もりの相談も、補助金を待たずに月払いで始める相談も受けています。料金と含まれるものはホームページ制作のサービスページで確かめられます。
よくある質問
小規模事業者持続化補助金は、ホームページのリニューアルにも使えますか?
新しく作る場合と同じく、販路を広げる計画の中で役割を説明できれば、ウェブサイト関連費として対象になりうるとされています。ただし、見た目を新しくするだけの理由では計画として認められにくく、ほかの経費と組み合わせる決まりもあります。対象になるかは公募要領と商工会・商工会議所で確かめてください。
すでに公開しているホームページの費用を、後から補助金の対象にできますか?
できません。補助金の対象になるのは、交付決定を受けた後に発注・契約し、決められた期間の中で支払った経費です。すでに作り終えたものや、申請の前に契約したものは対象になりません。これから作る部分があるなら、その部分を計画に入れられるかを相談してください。
補助金の申請書は、制作会社に書いてもらえますか?
相談や見積もりの提供に協力してくれる制作会社はあります。けれども、計画は事業者自身の事業の計画なので、内容は自分で理解して書く必要があります。商工会・商工会議所でも計画づくりの相談を受けられるので、自分の言葉で説明できる計画にしてください。
補助金はいつ受け取れますか?
小規模事業者持続化補助金は、事業が終わった後に実績を報告し、書類の確認を経てから支払われる後払いの仕組みです。制作費はいったん全額を自分で支払うため、受け取るまでの資金の手当ても計画に入れておいてください。受け取るまでの目安は公式サイトの案内で確かめられます。
採択されなかった場合、ホームページはどうすればよいですか?
採択されなかった場合は、補助金なしで作るか、次の公募を待って計画を見直して申請し直すかを選びます。公開を急ぐ事情があるなら、補助金を待たずに小さく始め、必要になったらページを足していく方法もあります。用意した文章や写真は、どちらを選んでもそのまま使えます。






